ありがとう腎臓病

このブログは25才で腎臓病と診断されたKIYOKUNが、ある人からの「腎臓病に感謝」という言葉をきっかけに、毎日を精一杯生きてHAPPYな人生を歩む物語です。

其の75
待合室

 

左手にシャントをつくったおかげでクレアチニンは8.0から6.0に下がり、

呼吸も楽になりました。

 

僕は退院し会社に復職しました。

その後も踏ん張って何とか這う様に会社に毎日通っていました。

 

しかし、腎不全の末期の症状は他にも出てきました。

痛風です。

腎臓が働かなくなると老廃物が体に溜まってきて痛風になるのです。

僕は足の親指が象の足の指ように腫れ上がり靴下も履けないくらい痛みがありました。

松葉杖をつきながら生活をする様になりました。

また、勤務中にもう一度しんどくなりHさんに家に送ってもらう事もありました。

それでも僕は腎臓病が完治すると自分自身に思い込ませて、祈りを続けていました。

 

ある日の病院の待合室で僕の隣に座ったご婦人と話をする機会がありました。

その方は人工透析をされているとのことでした。話すうちにそのご婦人は、

「人工透析は私の人生のリラックスタイム」

と話してくれました。

僕は人工透析を受ける事は今までの努力の敗北だと思っていたので、その婦人の話す意味が分かりませんでした。

不思議に思っているとその方は続けて、

「人工透析を受ける4時間、週3日はベッドでゆっくりとリラックスして好きなテレビを見て、雑誌を読んで眠くなったら居眠りをする。この4時間は誰にも邪魔されずにゆっくりできる。」

とおっしゃいました。

そして

「人工透析を受けない日は体に見合った働き方を一生懸命にする。人生に生活に、ONとOFFがあってめりはりのある毎日をすごしていくことができる。」

と話してくれました。

 

その方とお話をさせてもらうことで、僕は人工透析に対する思いが少し変わるきっかけになりました。人工透析を受けながらも自分の人生を一生懸命に生きることがでるのだという事が頭で理解できました。

 

しかし、心はやはり腎臓病を完治したいという想いが強かった。

だんだんとしんどくなりシャントをつくっている現状を思うと、

一番良いタイミングで一番良い選択をしようと思いもありました。

 

葛藤と迷いの中にいました。

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