「ほんで、どないしたんよ~」
Tさんは気さくに話を切り出してくれました。
僕は腎臓病の事をTさんに話し出しました。
腎臓病になって10年くらいになっている事。
体調がしんどくてしんどくてどうにもならない事。
大学を卒業して中学校の教員をしていたが腎臓病のために仕事を辞めた事。
病院では僕の腎臓病は治らないといわれた事。
悪くなって人工透析になるかもといわれている事。
等々話しました。
その間にTさんは黙って話を聞いてくれていました。
話が終わった後でTさんは
「う~ん」
とうなり声をあげました。
僕はどうしてうなり声をあげたのか分からずに戸惑いました。
Tさんは
「おかしいな、そんなに悪くなるはずないんやけどな」
「kiyokunが腎臓病になるのは小学校の時に言うてあったな~、
でもあの家に住んでたら軽い病気で済むはずやで。そんなに悪くはならんはずやで」
僕は初めて聞く話しでびっくりしました。
僕が腎臓病になるとTさんは僕が小学生の時に、母に言ってあった?
あの家に住んでいたら軽くて済んだ?
なんの事かさっぱりと分かりませんでした。
母は今は違う家に住んでいる事をTさんに話しました。
「何で~」
Tさんは大きい声をあげました。
母は商売が繁盛して工場が手狭になったので工場と家を引越ししたとTさんに伝えました。
「ほんまか~」
Tさんは絶叫しました。
僕はチンプンカンプンでした。