腎臓移植をする前に行う検査でマッチング検査と言うものがあります。
僕は母から腎臓をもらうのですが、移植手術後に僕の体に入った腎臓を僕の体の免疫システムが異物として壊して取り除こうとします。
これが拒絶反応です。拒絶反応がひどいと腎臓がうまく機能しなくなりせっかくもらった腎臓を体から取り除く時もあるそうです。
この拒絶反応を手術の前に行って、母の腎臓が僕の体とどれくらい合うのか、拒絶反応がどの程度あるのかを検査するのです。
拒絶反応はだれでも必ずあるので腎臓移植後は免疫抑制剤とステロイド剤で押さえていきます。
この検査で腎臓移植ができるのかまた、できたとして移植後にお薬をどれくらい飲むのか、移植した腎臓がどれくらいの期間働いてくれるのかを予想する事が出来るのだそうです。
このマッチング検査自体は血液検査でわかります。
入院した初日に僕と母が採血してもらいました。
母は採血後、帰宅しました。
結果は後日、判明するとのことでした。
僕はマッチング検査の結果は気になりませんでした。
なぜか全て上手くいく様な気がしたのです。
お世話になっているTさん、S先輩と出会ってからの僕の今までの生活を振り返ると、
これ以上無いと言うくらい精一杯生きて来た、
と自分で思えるのでした。
ですので良い結果が出ようと悪い結果が出ようとこれからも僕はただ精一杯生きていくだけだと思っていたのでした。