Tさんはお話を続けてくれました。
「お城の土台には石垣があって地面から一段、一段積み上げていっている。
一段目がしっかり築けて初めて二段目が積める。そして三段目、四段目、五段目と積んでいく。」
「時には六段目を積む時に崩れる時もあるかもしれない。でもその時はいったん、下の段に戻ることでダメージを回避できる。下の段のしっかりと盤石な五段目か四段目に戻って体制を立て直してまた、次の段に積んでいけばよい。」
「これがゼロか全てかという考え方でモノを進めていたら崩れた時はゼロに戻るしか無い。崩れたら全く何も残らない。それで他に何か良いものがあるんじゃないかと探す。そしてまたダメでまた探すの繰り返し。ほとんどの人がそれで人生を終わる。」
「しかし、一段一段と積み重ねていく場合はもし、ダメな時でも盤石な所まで積んでいるという成果が残っている。またそこから続ければ良い。」
「実際にkiyokunも良くなった所があるはずだ。それが一段一段積んで来た証拠でもある。」
そしてTさんは
「この話を自分の腎臓病に当てはめて考えてみよ」
と言った。
僕は考えてみた。
「必死に祈って祈って祈る。それだけではダメで病院に通って腎臓病の治療をしっかりと受ける。食事療法もしっかりとして生活も疲れない様に気をつけていく。そして何よりも大事な事は苦しい腎臓病に負けない様に前向きに毎日を送る。その一つ一つが一段一段を積み上げていく事だ。その繰り返しがあって初めて結果が現れるんじゃないか」
と思った。
僕はTさんに思った事を言った。