ありがとう腎臓病

このブログは25才で腎臓病と診断されたKIYOKUNが、ある人からの「腎臓病に感謝」という言葉をきっかけに、毎日を精一杯生きてHAPPYな人生を歩む物語です。

其の52
心のラーメン

 

ある時の病院の定期検査で腎機能を現すクレアチニンがとうとう2.5を超えてきました。

クレアチニンが3.0になると身体障害者に認定される。

つまり腎臓病はもう治らない。

日常生活に何らかの支障をきたす可能性がありと、市町村が認めてくれる。

僕は腎臓病が治る様に良いと言われて事は全てやってきた。

 

それで腎機能の悪化が止まらずにいる。それどころか検査の度に進んでいく。

 

以前、Tさんに「腎臓病に感謝」と教わって自分でもそう思えるように努力してきたけれども、出来なかった。頭では理屈はわかるのだが心が納得しなかった。体がしんどいからだ。

 

僕は体に心が負けるのかと自分で情けなくなった。

 

「何もかも放ってやろう」と思った。

 

けれどもTさんのこの話が僕が思い浮かんだ。

僕の頭か心がどこにあるのかは知らないがTさんの「腎臓病に感謝」が離れなかった。

 

僕はしんどくてもクレアチニンが悪くなっても、もうヤケクソで祈った。

最初はヤケクソだったがやはり人間は祈ると落ち着くのかだんだんと正気に戻ってきた。

そして高校の先輩のSさんにこの結果を報告しようと思い立った。

 

Sさんにメールで結果を報告するとSさんから返信があり、会う事になった。

冬の寒い時期でしたが、約束の場所にSさんは額に汗をかきながら来てくれた。

少しでも早く僕に会おうとしてくれている気持ちが、僕にひしひしと伝わってきました。

それだけで僕は一瞬でも「何もかも放ってやろう」と頭をよぎった事が恥ずかしくなった。

 

Sさんは

「病気が進んでもkiyokunという長い長い人生に負けなければ良い」

と話し始めました。

そして、

「幸せになっていけば、例え体が病気でも心が幸せであれば、もう、病気を克服したのと同じだ」と力説してくれた。

 

柔道部出身のSさんの体ごと僕にぶつかってくるような心からの励ましだった。

04

 

話が終った後で夜にラーメンをSさんと食べに行きました。

腎臓には塩分が悪く滅多に食べないのですが、Sさんが美味しい店があると言って連れて行ってくれました。

その日のラーメンは格別にうまかった。

 

Sさんは「心を大切にする」先輩だった。

腎臓病を治す事も大事ですが、「心を大切にする」ことこそ僕が学ばなければならないように思いました。

 

 

 

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