Mくんの勉強が終わって、Tさんが講義をしてくれました。
その日、僕は体調が悪くてしんどかったのですが、せっかっくTさんがお話をしてくれるのでと頑張って聴いていました。しかし、Tさんの励ましの言葉に
「えっ〜、そんなん無理〜」
と弱気な言葉を言ってしまったのです。
Tさんは
「何で、やってみないとわからん。人間には無限の可能性があるんや」
「自分で出来る、やってやろうと思わないとその可能性は発揮されない」
と言いました。
僕は腎臓病を治したいと思いながら、
「治すのは無理だ。医者も治らないと言っている」
という思いが心のどこかにあったのです。
その事に気付いたTさんは僕の弱気な心を叩き出すように突然、
「明日までに、彼女を作って来い」
と叫びました。
僕は「ええっ〜、無理〜」と絶叫しました。
Tさんがなぜ突然そんなことを言い出したのかわかりませんでした。
しかし、その時僕には恋人の一人もいなかったのです。