いとこのRちゃんに僕が話をしてあげて欲しいと、
母が親戚のおばさんから頼まれたと言いました。
母が言うには、Rちゃんは腎不全の末期で尿毒症がかなりひどくて
お医者様から人工透析を受ける様にかなり強く言われているが全く聞く耳を持たない、
との事だった。
それどころかおばさんやおじさんや周りの家族の人が言っても全く聞かないらしい。
このまま人工透析を受けずにいると後2週間程で死んでしまうかもしれないと医者に言われていると母が話しました。
Rちゃんは1型糖尿病で高校生の時から自分でインシュリンを打っていました。
Rちゃんはそれでも病気に負けずに幼稚園の先生を勤めたり、
ピアノの先生をしたりとても明るくて頑張り屋さんの女性だった。
僕は小さい時に一緒に遊んだが大きくなって会う機会も減り糖尿病とは聞いていましたが、
腎臓まで悪くなっているとは知りませんでした。
まして、腎不全の末期で人工透析が必要なくらい悪くなっているとは思いもよりませんでした。
そんな明るいRちゃんが周りのみんなの意見を聞かずに頑として人工透析を受入れないというのも信じられませんでした。
Rちゃんに話をしてと頼まれたものの僕は何をどう話してよいのか途方に暮れました。
落ち着いてよく考えると僕は自分の事が思い浮かんできました。
僕も人工透析をかたくなに拒否して絶対に治すと頑張っていた時期がありました。
そして必ず治ると信じていました。
Rちゃんもきっとそうだと思いました。
Rちゃんは頑張り屋さんだから他の誰よりも糖尿病、腎臓病に対して、
必死で真剣に取り組んでいるのだと思いました。