僕は退職の事を総務室のK部長に相談しました。
K部長も了承してくれました。
そして僕は体の力が抜けた様にぐったりとなりました。
緊張感と責任感で動いてくれていた僕の体も退職すると決まってから力が抜けたのでしょう。
僕の体の中で僕の腎臓が一番頑張ってくれたんだと思います。
腎機能はもう、1割程しか機能していないのにも関わらずに僕の人工透析を受けたくないという想いを受けて人一倍頑張ってくれたのだろうと思いました。僕の腎臓はしゃべりませんが本当によくしてくれたと思いました。
僕はベッドの中で腎臓に「ありがとう」とお礼を言いました。腰の上辺りの腎臓がある位置に掌をつけてさすってあげました。今までは「もっとガンバレ、働け」、「なんでもっと動いてくれないんだ」と腎臓に不満をぶつけていましたが、初めて腎臓に感謝の念が湧いてきました。僕の腎臓は最高の腎臓でした。
会社には退職の期日までに週に3日、それも午前中だけ行く事になりました。僕の後の仕事の引継ぎをするためです。
また、その頃お世話になっているNHさんから
「退職すると決めた時からもう次への就職活動が始まっていると思って、
たとえ辞めていく職場であっても今よりさらに誠実に仕事をする事が次に繫がる。」
と教えてもらいました。
僕も自分の出来る範囲の中で一所懸命、仕事をしていきました。
後日、このNHさんの言葉の通りの事が起きると後で分かるのですがこの時は僕は知る由もありませんでした。S先輩やTさんはじめ、僕はことあるごとにいい方にアドバイスをいただいていると思います。
僕は1年と10ヶ月勤めた会社を退職して家でゆっくりと体を休める事に専念しました。
退職はかなり寂しかった。
そして僕はこれからどうなるのだろうと少し不安もありました。