弟が手術室から出てきた母を見た時にこれは危ないなと思ったそうです。
それくらい衰弱していたそうです。
術後の痛みがひどくて、吐き気が有り、顔が真っ白だったそうです。
僕は動けないので母の様子は見に行けませんでした。
母には母の妹、僕からは叔母に当たるサーちゃんがずっと付き添ってくれていました。
サーちゃんがずっと付き添ってくれたおかげで、
母は術後2日目には少し良くなってきたそうです。
1週間後は少し歩けるようになりました。
Cちゃんが寄り添って母が歩いて僕の病室まできてくれました。
自分がしんどいのに僕の様子を見に来てくれたのでした。
術後、12日目に母はフラフラしてしんどいと訴えました。
心配しましたが水分不足だったそうで、水分をとると良くなりました。
そして術後の経過が良好で術後15日目の7月7日に、
母は無事に退院することができました。
僕はまだまだ退院することはできません。
母が一足先に退院です。
その時に手紙をくれました。
いろいろな思いが綴ってありました。
その中で手術に関する母の並々ならない想いが込められていました。
今の手術はドナー(提供者)の体を傷つけないように腎臓を取り出すときに、
お腹に小さな穴を開けて内視鏡で腎臓を摘出するそうです。
母はそれだと小さな穴から取り出すときに腎臓が擦れたり傷ついたりして嫌だったのだそうです。
母は自分の腎臓を僕にあげるために、
手術の時は担当の先生に、自分のお腹を大きく大きく切って、ガバッと開いて腎臓を傷つけないように取り出して欲しいと頼んでくれました。
そうしたほうが僕に傷のついていないキレイな腎臓を上げることができると考えたそうです。
母の術後、直ぐに痛みや吐き気がひどかったのは傷を大きく切って、
体に大きな負担をかけたからでした。
自分の腎臓を僕にくれるだけでなくて、
母は手術の時も自分の体を犠牲にして僕に良い状態の腎臓をくれたのでした。